2025-2026 Theme
良い事をしよう。地域で、世界で、未来のために
2025-2026年度国際ロータリー
第2800地区ガバナー
小松 栄一(こまつ えいいち)
寒河江ロータリークラブ

2019年12月に新型コロナ感染症のパンデミックが発生してから6年が経過しました。世界中を恐怖に陥れた新型コロナ感染症も、現在では普通の感染症の一つになっていますが、新たな感染症の発生や、再興感染症と言われる古くて新しい感染症の発生も危惧されており、21世紀は新たな感染症との戦いの世紀と言っても過言ではありません。
また、2022年2月24日にロシアがウクライナに電撃的侵攻を開始しました。2023年10月7日にハマスの電撃ロケット攻撃に始まったパレスチナ・イスラエル戦争は泥沼の状態が続き戦禍が広がっています。それ以前から、世界中で分断の時代に突入したと言われていましたが、分断はあらゆる面に広がり、温暖化、人口問題(人口増、人口減いずれも)、食料、経済問題、感染症、ジェンダー、ハラスメント、世代間格差、アンコンシャスバイアス等々数えきれない分断の場面が浮かび上がります。これらの問題は、いずれも解決しなければ人類の存亡に直接影響を及ぼす問題であったり、人類の未来を左右する問題ばかりです。そんな中にあって、私たちロータリアンは何を求められ、何を為すべきなのでしょうか。皆様と共に考え、行動する一年としたいと考えます。
ロータリーの目的とは?
ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある:
第1 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること;
第2 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること;
第3 ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること;
第4 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。
これを読んで、皆さんは何を考えますか。
本文の「奉仕の理念を奨励し育む」とは。奉仕の理念とは何か?
奉仕の理念とは、フランクリン・コリンズの言った「超我の奉仕:service above self」であり、アーサー・フレデリック・シェルドンによる「最もよく奉仕するもの、最も多く報われる:Who profits most who serves best」に現されています。この二つのモットーを理解し、自分の行動に如何に取り入れるかを考えることが、私たちに求められていると考えます。ロータリーの目的では、その為に具体的に行うべきことを4つ例示しています。
第1 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること;
これの意味するところは、単に仲間を増やすだけではありません。奉仕する機会には、奉仕する場、奉仕のアイディア、奉仕の中身、奉仕に取り組む姿勢、奉仕の心の形成、自己研鑽の機会等、そして奉仕する仲間、色々なことが含まれていると考えます。クラブの中で、奉仕する機会を得ること、その機会を活用して奉仕の本質を学ぶことが求められています。
第2 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること;
職業倫理の確立と維持、職業の平等と高潔性の維持。
第3 ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること;
奉仕の実践を説く。職業奉仕及び社会奉仕を実践する個人を育成することの重要性を説いたもの。
第4 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。
ロータリアン同士が、政治や宗教、歴史、言葉、肌の色、あらゆる垣根を超えて国際理解、親善、平和を推進するために協力し合うこと。
以前は、社会奉仕にインターアクトとローターアクト、RYLAが含められていました。そして、国際奉仕に青少年交換プログラムが分類されていました。現在は、これらをまとめて青少年奉仕という第五の奉仕部門が作られたわけですので、ロータリーの目的にも第5項が追加されてもいいのでしょうが、現在の所そういった動きはないようです。もしそうなれば、青少年育成のため、より良い未来を築くためにロータリアンが役割を果たすべきといった文言が考えられるのではないでしょうか。
このロータリーの目的を毎月唱和している会員やクラブがあると思いますが、この目的を十分理解され、その達成のためにクラブ活動して頂きたい。このロータリーの目的を実践することによって、ロータリー活動は輝かしい成果を、私たちに、地域に、世界に、そして未来にもたらしてくれると考えます。
さて、話を戻しますが、世界中で格差拡大と多くの分断が発生していると述べましたが、その格差や分断を埋める方法はあるのでしょうか。私は、最終的には、チャレンジできる公平な環境を作ることが問題の解決につながるのではないかと考えます。そのためには、私たちが地域や世界中で格差の改善、分断解消のための活動を行うこと。特に若者に対する支援を積極的に行うことが必要なのではないかと考えます。
このような考えに基づいて、私の年度は、『良い事をしよう。地域で、世界で、未来のために』という地区方針を立てることに致しました。
クラブ活動で学んだことを応用し、地域での活動を活発化させて、地域の抱える問題を発掘しそしてその解決に挑んでいただきたい。また、皆さんの目を海外に向けて、世界中で困っている人がいる現状を(備)つぶさに見、手を差し伸べてほしい。それには、ロータリー財団や米山奨学会の存在が私たちの活動の手助けになるでしょう。また、若い人々の意見も取り入れ、新発想で地域の諸問題解決に挑んでいただきたいと考えます。
そして最後に、未来のために私たちができることを惜しみなく行いましょう。今が良ければそれでいいといった身勝手は人類の破滅、地球の破滅をもたらします。そうならないために何をすべきか考えてください。それは、職業奉仕でも、社会奉仕でも、国際奉仕でも、青少年奉仕でもなんでもいいのです。クラブ活動を通じて奉仕の精神を学び、そして実際に活動しましょう。実践なきところに成果はない。ロータリアンは実践の徒なのです。その結果として、ロータリーの活動がさらに活発になり、それを見ている職業人や若者が私たちの考えに賛同してくれ、そして仲間が増える。さらに、ロータリーの活動が活発になる。そんな好循環を私たちは目指したいと思います。
小松 栄一 プロフィール
寒河江ロータリークラブ所属
1956年(昭和31年)9月10日
医療法人 小松医院 理事長
1981年 北里大学医学部 卒業
1982年5月 山形大学医学部医員
1986年7月 山形大学医学部文部教官助手
1988年9月 医療法人小松医院勤務
1991年4月 医療法人小松医院理事長
1991年4月 社会福祉法人松寿会理事長
1996年2月 寒河江ロータリークラブ 入会
(クラブ内 / 会長・幹事)
2010年-2011年 寒河江ロータリークラブ 幹事
2014年-2015年 寒河江ロータリークラブ 会長
(地区 / AG・委員長・委員)
2004年-2007年 地区青少年交換委員会小委員長
2008年-2010年 地区青少年交換委員会小委員長
2016年-2018年 地区ロータリー財団補助金・奉仕プロジェクト委員会委員長
2018年-2019年 第4ブロックガバナー補佐
2019年-2020年 地区国際奉仕委員会委員長
2021年-2024年 地区ロータリー財団補助金・奉仕プロジェクト委員会委員長
2011年-2017年 NPO法人RIJEC研修委員
2018年-2024年 一般財団法人RIJYEM研修委員
ポール・ハリス・フェロー 大口寄付者 ベネファクター 米山功労者